第19章 ハートの海賊団にて・その2
「……………ッ!」
自分で言った言葉にハッとする
“いつか来る別れ”
それは自分たち二人にも言えることだった
二人の間の約束では、“エースに会うまで”の旅の仲間
あまりにも馴染みすぎて、グレイスは目的を忘れていた………本当の目的、それは…………
急に押し黙ってしまったグレイスを心配そうに覗きこむイリス
「グレイス?どこか痛いの?」
誰か読んでくると、立ち上がり、離れて行くイリスをギュッと引き寄せ、スリスリと頬擦りする
いきなりの事に驚いき、目を白黒させる
「えッ?なっ何ッ…?」
もがくイリスを離そうともせず
「大丈夫!大丈夫よ!永遠の友情とは男女の垣根を飛び越えた奥の、更に奥底をメビウスのようにエンドレスで高速循環しているものなのよ~!!!」
「わっ……あぁわわわ………」
イリスにはさっぱり、分からない言葉を口走りながら、抱きしめる続けるグレイス
イリスはされるがままになりながら、これだけ喋れるなら心配ない、と安堵した
少し落ちついたグレイスに、嫌われているベポ君と仲良くなるにはどうしたらいいかをまた聞いてみたが、“白熊の好みまで分からない”とそっけ無く返された
その白熊の事を一番知っている人に聞けばいいのでは?、と他人任せだが的確なアドバイスをもらい
「船長さんか、ペンギンさんかな?」
イリスは、この船の中でもよく話す二人の名前をあげ、どっちかに聞こうと医務室を出ていった