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背中を追って【ONE PIECE】ワンピース

第19章 ハートの海賊団にて・その2




目の前に現れた大きな熊

 白 である

イリスの育ったフーシャ村にはいないが、近くのコルボ山に熊はたくさんいた
しかしそれは白ではなく、普通の茶や、黒の熊だった

本や、図鑑で白い熊がいることは知っていたが、実物を見るのは初めてだ
寒い地域にいると言う白熊は、きっとこの海域に住んでいるのだろう
海に浮かぶ流氷に乗って身体を休める、と書いてあったのを思いだす

(間違えてこの船に上ってきちゃったんだ)


しかし、白くて可愛らしくても熊は熊
野性動物に油断は禁物


ほかの人達が気づく前に追い払う?

いや、ここは今までのお礼もこめて、今この船に必要な食料にする為 “狩ろう”


昔、エースとルフィが獲ってきた熊を料理したこともあるし、自信はある

丁度、眠っている
今ならいける!

素早く駆け出すイリス
一蹴りで仕留める為、狙いは脳天

情けは無用

下手に手加減すると長く苦しませる事になる




しかし

降り下ろされたイリスの蹴りは、白熊の頭では無く、木箱を粉砕した


(えッ…?あれ?)

足元に散らばるのは木片だけ

(ん?白熊は??)


そこへ、怒気を含んだ低い声がした

「てめぇ、どういうつもりだ!!」


船長さんだった
隣には白熊が倒れている

「自分で仕留めたかったんですか?」

「何言ってやがる!理由を答えろ!」

答えによっては容赦はしない、たとえそれが気に入っている女であろうとも………
ローは構えたままイリスを睨む


「えッと………今、食料がたりなくなってるって聞いたから、その足しにでもなればなって………」


いきなり敵意を向けられ、困惑しながらも説明するイリス
なぜ彼が怒っているのかサッパリわからない


「あっ!もしかして脳ミソ食べたかったです?私は食べたこと無いけど珍味って聞いたことあります」


脳天に蹴りが入れば、頭は吹き飛び食べるどころでは無い

だから船長さんは阻止したのかな?

イリスが一人で納得仕掛けたとき、悲しげな声が響く


「キャプテ~ン………オレ、食べられちゃうの………」

のっそりと起きあがって、今にも泣き出しそうに訴えるのはイリスが狙った白熊

「えッ…!!熊がしゃべった!」

「熊でスミマセン………」


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