第18章 不器用な男達
ルフィの話を聞き終わり、サンジはすっかり普段道理に戻っていた
あの後、更に詳しく話を聞いて分かったことは、
・二人は三年程会っていない
・置いて行かれた事をお姉様は怒っている
・今は一人でエースを追いかけている
もっと早くに聞いとけばよかった
まだ望みは残っている!
サンジは考え悩んだ数日間がバカらしく思えた
彼にとって、どんな理由があろうと女性との約束を破るなんて考えられない
そんな事をする男に自分が劣っているはずがないと、自信を強める
お姉様が怒っているのも当然だ
それに、ルフィの話では一発ぶん殴る為に修業までしたそうだ……
再会を果たしたら、そのまま別れを告げて、新たな一歩を踏み出すのかもしれない
そうなれば、お姉様はフリー!
早くそんなひどい男と別れて!イリスお姉様!
オレが優しく慰めて………ムフフッ………
ニヤニヤと締まりの無い顔で後片付けをするサンジを、ナミとビビは食後のデザート(今までのお詫び)を突っつきながら眺める
肉中心の食事での栄養バランスを補うため、ヘルシー&ベジタブルなデザートを用意してくれたサンジは、すっかり吹っ切れたようだ
「元通りだし、元気になったのは良かったけど………なんか勘違いしてない?」
ナミが人参ケーキを一口食べて問いかける
「えッ……と、ずいぶん前向きに考えてるわよね?」
ビビが野菜&フルーツジュースを飲みながら答える
「前向きって言うか、自分の都合よく解釈しちゃってるわ……」
ナミは知っていた
ルフィからお兄さんのフルネームを聞いた時から、ルフィの言う“エース”が
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《火拳のエース》
ポートガス・D・エース
白ひげ海賊団 二番隊隊長
5億5千万ベリー
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であることを………
(とんでもない相手だわ~とてもじゃないけど、サンジ君に勝ち目無いわね………)
新聞を毎日見ているナミ
当然手配書にも目を通すし、高額賞金首にチェックを入れるのは昔からの癖だった
(今はまだ知らない方がいいかな?)
上機嫌でキッチンを行き来するサンジに内緒事が出来たナミでした