第18章 不器用な男達
~麦わら海賊団・その後~
(料理が手抜きになった………かな?)
ナミは先日から食事にちょっと不満気味だった
通常、船上生活では、三食ともに食べられるだけいい方なので、贅沢は言えないことは分かっている
しかし、サンジがコックになってからは三食+おやつ+ティータイムが習慣化してしまい、内容にもこだわりを持つようになっていたナミにとって、最近の食事を以前と比べてしまうのは仕方がないことだった
「あんた達は気にしないのね~」
ルフィ達を見ると、もりもりと肉を頬張っている
連日肉、肉、肉だらけの食事
シンプルに焼いただけや、煮込んだだけの肉料理が並ぶテーブル
ナミとビビは、テーブルの端でちょっぴりの肉とパンを食べている
貰えないのではなく、“貰わない”
肉ばかりの食事にうんざりしていたナミは、そろそろサンジに文句でも言おうかと、給仕を終えて席につくサンジを待ち構えていた
「ナミさん、私、作って貰ってるのにそんなこと言えないわ………」
以前サンジは、ナミとビビの食事には男達の100倍気を使っていると言っていたが、今はそれが感じられない
確かに、サンジの変わり様が気になるのはビビも同じだったが、居候的な自分がそんなこと口に出せるはずもない
「ビビッ!あまいわ!コイツらは肉食ってりゃ元気100倍かも知れないけど、女の食事は美容にも気を使わなきゃならないのよ?」
肉にガッツく男達を指さしながらナミは続ける
「それに、言わなきゃ分かんないことだってあるんだから…………」
ナミの脳裏に故郷の村での事が思い出される
自分の為に村人総出でウソをつき続けたこと、辛いのは自分だけだと思い込んでいた、守ってるつもりで守られていた事にも気づかない自分が、どれ程情けなく、バカだったことか………
「ビビ、心配しないで、私もサンジ君の変わり様が気になってるのよ?」
やんわり聞くからビビも一緒に聞いて見ましょ
とのナミからの言葉に、笑顔で頷き同意したビビは、キッチンの奥からやって来たサンジと目があった