第18章 不器用な男達
~赤髪海賊団・その後~
「お頭、イリスもだが、ルフィの方はいいのか?」
古参の仲間がシャンクスに聞いた
シャンクスがあまりにも、イリス、イリスとばかり言っているので、イリス以上にお頭を慕っていたルフィが気の毒だった
「んー?さっきも言ったじゃないか、あいつはライバルだ、それに約束もあるしな………」
今はまだ駆け出しのルーキーであるルフィ
”立派な海賊“には程遠い
こちらから会いに行くのは約束とは違うのだ
「じゃあ、ルフィに会えるのはまだ何年も先かぁ~」
残念そうに呟く彼は、フーシャ村でルフィに嫌われる寸前までちょっかいをかけていた奴だった
「ダッハハハッ!そう落ち込むなよ、あれから10年も待てたんだ、1年や2年なんて直ぐさ!」
シャンクスは1~2年でルフィが、四皇“赤髪のシャンクス”率いる自分達の前に立つ、と確信しているようなもの言い
言葉にはルフィへの期待と、麦わら帽子を預けた自分の目に間違いは無い、と言う自信が満ちていた
「でも、もうちょっと早く会いたいよな~?」
他の仲間に同意を求める彼は、まだ納得していないようだった
「じゃあ、こう言うのはどうだ?イリスが“新世界”に来るだろ?そこで俺達が彼女に会う、そしてルフィの近況を聞くんだ!」
手配書だけからでは分からない、10年分の出来事を宴と共に話して貰おう、と提案する
これなら二人の望みが同時に叶う
「あぁ!そりゃいいな、先ずは全力でイリスを探そうぜ!」
ニカッ、と笑いあいながら各自の作業へと戻っていく二人の足取りは軽かった