第18章 不器用な男達
青キジの報告書
(個人的調査による軍内部での活動者について)
・代表者
アギー・トムランザ
・発足時期
約1週間前から現在も継続中
・活動者
若手海兵を中心に軍曹、曹長から、一部少将も含む海軍本部に在籍している約4割
現在も増え続けている模様
・活動内容
モンキー・D・イリスについての情報共有、情報収集
・注意事項
祖父であるモンキー・D ・ ガープ中将には秘密(絶対厳守)
「なんじゃ、これは」
報告書を読み終わったセンゴクは、怪訝な表情のまま青キジを見る
「あらららら~?わかりませんか?」
目の前の男はごそごそとコートのポケットを探りながら答える
「こんな報告書でわかるかぁ!!」
額に青筋をたて怒鳴りつけるセンゴクに、やっと目当ての物を見つけた青キジが、ペラッと一枚の紙切れを見せる
名刺サイズの紙には
~モンキー・D ・ イリス ファンクラブ~
会員番号〇〇〇〇〇〇〇号
“大将青キジ” クザン
代表者アギー・トムランザ
連絡先〇〇〇ー××××××
「なんじゃ、これは」
今度は呆れた顔をして名刺に書いてある名前の主を見据えた
「だぁかぁらぁ、例のイリスちゃんにファンクラブが出来たみたいなんですよ」
俺も入ったんですよと、ちょっと自慢気な顔をした青キジ
調査の段階でファンクラブの存在を知り、内部の情報を探る目的と称して、ちゃっかり自分も入会したのだった
ちなみに、代表者のアギー・トムランザ 彼は、先日起きたガープ騒動で一番重傷を負った者だった
彼は、今も医務室のベットの上にいる
あのガープ中将に、こんなになるまで挑んだガッツを認められ、代表者(ファンクラブ会長)に任命されたそうだ
「まだガープさんに連絡します?」
ファンクラブの存在を知ったガープの行動を、想像しただけでうんざりしたセンゴクは、青キジの言葉に沈黙をもって返事とする
「今はまだ見守ってるだけなんで彼女に害は無いですよ、何か起きそうだったら俺が止めますんで」
じゃぁ、と踵を返し部屋を出て行く青キジ
(そっちが入会の本当の目的なのでは?)
やはり頼りになる男だ、とセンゴクは改めて思った