第18章 不器用な男達
~海軍本部・その後~
先日ガープの起こした騒動(後にガープ騒動と言われる)が終息し、暫くした頃
日常が戻った本部内で、何やら怪しげな動きが起こっていた
ある時は廊下の隅で
ある時は訓練棟の裏庭で
またある時は食堂で堂々と…………
若い海兵を中心に集まり、こそこそと密談が交わされている
次第に人数も増え、上司にも気づかれ、センゴクの元へも報告が入ってくる
センゴクは、海軍内部でクーデターでも起こるのか?と、内心穏やかでは無かった
調査をガープに頼もうと電伝虫に手をかける
彼は、ああ見えて海兵達からの信頼がある
”伝説の海兵”と言う肩書きに憧れて入隊する者も、いまだに少なくは無い
意外にも内部調査には持ってこいの人物だ
電伝虫の呼び出し音が鳴る中、センゴクの部屋を訪れる者がいた
「あぁ~あの~今、ガープさんを呼び出してます?ちょっと待って貰えませんかね~」
現れたのは世界政府”最高戦力“の一角を担う、大将”青キジ”
いつもはだらけていて、やる気の無さそうな男だが、勘が鋭く、押さえるべき所はしっかりと押さえる男だ
(彼がわざわざ足を運んで来るとは………)
センゴクは、電伝虫の受話器を静かに置いた
「何だ?青キジ、なぜガープにかけていることが分かった?」
表情を厳しくしたまま青キジに向き合う
「いや~最近、本部内が何か落ち着かないんで、ちょっと独自に調べてみたんですよ………そしたら今、センゴクさんに報告が上がったって聞いて、たぶんガープさんに調べさせるんだろうな~って」
何となくそう思ったと、ボサボサの頭を掻きながら部屋へと入って来た
(やはり侮れない男だ………)
センゴクは、彼の普段のやる気の無さは、カモフラージュではないのかと、青キジの評価を高くした
「俺の調べさせた報告書見せますから、それ読んでから考えて下さいよ」
ガープさんに話すのを………
意味深な発言に怪訝な表情をしたままセンゴクは報告書を受け取り、目を通し始めた