第18章 不器用な男達
~白ひげ海賊団・その後~
「はぁ~………どうすっかな~」
各隊長には、広くはないが個室が与えられているのだが、エースの自室には、床いっぱいにイリスの手配書が散乱している
毎朝新聞から抜き取り、集めた結果だ
行き場を無くした手配書の扱いに頭を悩ますエース
捨てる事も、やぶく事も、ましてや燃やすなんて出きる訳がない
自分から約束を破り、イリスの側から離れたとは言え、誰よりも彼女を愛している事には変わりはないし、久しぶりに見る姿に興奮したのも事実だ
悩むエース
そこへ………………
「エース隊長!親父が呼んでるぜ~!なんでも、敵……………ん?」
勢い良く開かれたドアから部下であるティーチが告げる
「ッ……………!!!」
部屋の惨状を見られたエースは慌てて手配書を片付ける
「ゼハハハハッ!こりゃぁ例の手配書か?ゼハハハハッ!」
手伝おうか?とニヤリッと顔を歪ませる
「いッいい…いいから!すぐ行くから先に行ってろよ!」
慌てるエースはバタバタと部屋を行ったり来たりしている
ゼハハハハッと、笑い続けるティーチのその巨漢の後ろからひょっこり顔を出す人物
「おーい、エース!親父が呼んでるぞ~?何してん………だ………って…………」
「げッ…………」
(見つかっちまった………)
部屋を覗き込んだサッチは、散らばる手配書に気付いた
「おいおいおいおい!こりゃあイリスちゃんの手配書じゃねぇか!今まで探しても見つからねぇ訳だ!てめぇが隠してやがったとはな~!!!」
ずかずか入って来たサッチは、手にした手配書をエースにつき出し、まくし立てる