第18章 不器用な男達
俺の作った料理を食べて、
”美味しい!私も麦わら海賊団に入りたい”
なーんて言っちゃったりしてな~ムフフフッ
デヘヘッと、締まりのない顔で妄想にふけるサンジにナミとビビは呆れかえる
「邪魔だ、クソ眉毛」
突然後ろから足蹴にされ、サンジが正気に戻った
「何しやがるクソマリモ!!!」
サンジとゾロの喧嘩が始まった
ギャーギャーと喚き立てる二人に、周りはいつもの事だと傍観している
そこへ、キッチンからマカロンを頬張りながらルフィがやって来た
「ファンシ~、ヒャハホコハ?」
リスのように頬を膨らましたルフィ
何を言っているのか分からない………
行儀が悪いとサンジにたしなめられ、飲み込んでからまた喋るルフィ
「サンジ~、茶はどこだ?」
ポットの場所も、茶葉の場所も、キッチンはサンジのテリトリーなのでルフィにはさっぱり分からなかったようだ
毒気を抜かれ、ゾロとのいがみ合いも区切りがついたサンジは、茶でも入れるか、とキッチンへ向かう
「おい、ルフィ!イリスお姉様は何が好きなんだ?」
後ろからついてくるルフィに、イリスについての情報を聞こうと口を開く
いつかの運命的な出逢いの為に、情報収集は欠かせない
(まあ、俺に作れない料理はない)
自信たっぷりにルフィからの返事を待つ
「ん?姉ちゃんはエースが好きだぞ」
???エース?聞いた事の無い料理だ
ルフィ達の故郷の料理かもしれないな………
いや、待てよ!この広い海を旅する中で、長く故郷に帰ってないならば、それは懐かしい味
もしもその料理を作ったならば、その瞬間にイリスお姉様の心は俺のもの
一気に惚れられちゃうかもな~
サンジが黙ったまま百面相をしている
コロコロ変わる表情は、ハートの瞳と鼻血で終わりを迎えた