第18章 不器用な男達
シャンクスは、とある島を目的地に決め、船の行き先を指示する
”鷹の目”からの情報によれば、イリスは新世界にかなり近づいている
シャンクスは、新世界でイリスが立ち寄るであろう島を予測し、そこを拠点に情報収集を行う算段でいた
「あいつも、またには役に立つよな~」
ルフィとイリスについての情報をもたらした”鷹の目”を誉めるシャンクス
昔は、会えば決闘だ、なんだと血生臭い関係だったが、現在は、時おり現れて宴に参加していく、いい飲み仲間となっている
だが、あいつがオレらの元に出向くのは、大抵めんどくさい仕事の依頼や、奴が知りたい情報を得るためであって、オレたちに得るものはあまりない(まあ、宴は楽しいが………)
しかし、今回の”鷹の目訪問”は、双方にメリットのある有益なものだった
シャンクスは、甲板で満足そうに笑っていた
「そういや、お頭!”鷹の目”のやつ、帰り際に何言ってたんですか?」
仲間の一人が、去り際に”鷹の目”から話しかけられているのを見たと言う
「??…………あぁ………なに大したことじゃないさ……」
”鷹の目”からは別れ際、忠告とも、お願いとも、とれる内容の話がされた
《イリスに会えても今は、昔とは違う。彼女はもう大人の女性だ、そこの所をわきまえて行動しろよ》
「………………だとさ!」
笑っちまうよな?と可笑しそうに話す
確かに10年前とは違うのは手配書で分かっている
しかし、幼い姿を知っている分”鷹の目”よりも親目線で見てしまうので変な気が起きようも無い
「あいつはオレらにとって、可愛い妹のような娘のような存在だよ」
シャンクスの言葉に、イリスを知る幹部達や古参の仲間は笑顔で頷く
「ルフィは弟……息子って言うより仲間?に近いよな?」
「おいおい、お頭、あいつはもう、一海賊団の船長だぜ?ライバルだろ?ラ・イ・バ・ル!」
ラッキー・ルウがニヤリッと笑って、手にした肉にかぶりつく
「あぁそうだ!あいつはライバルだな!」
だっはっはっはっと、豪快な笑い声
つられて笑い出した仲間の声でレッドフォース号は笑いに包まれた