第18章 不器用な男達
重苦しい空気が部屋に充満している
シャンクスをしっかり見据えるベックマン
しかしシャンクスは、気まずそうに視線を床に落としていた
ベックマンがしばらく黙っていると、シャンクスは視線を幹部達に移してヒソヒソと相談しだす
「ベン、マジで怒ってんぞ……どうしよ」
「お頭が悪いんだぜ?ふざけすぎだ」
「いや、お前らだって……一緒に………」
「一番ふざけてたのは、お頭だよな」
「でも、イリスが………」
「船長としての自覚がなぁ~」
「………………………」
気心の知れた幹部達は、容赦なく船長であるシャンクスを責め立てる
ポンポンと浴びせかけられる言葉
次第に勢いと、顔色が悪くなるシャンクス
(まったく、この人は…………)
船長なのにそれを感じさせない雰囲気
気安く話せるし、仲間との距離も近い
しかし、いざ戦闘ともなれば最も頼りになる
自分の欲に正直で正に自由奔放
子供がそのまま大人になった様な人だ
「はぁ~っ、”お頭” イリスに会いたいならレッドラインに向かえばいいんじゃないか?」
見かねたベックマンが許しを出すと
「っ!………お、おぉ~そうだな!近くにいた方が探しやすいもんな」
パッと、顔を明るく輝かせ、幹部達と行き先を話だした
(単純…………)
ベックマンは、笑顔の船長を見ながら自嘲気味に笑う
単純なのはシャンクスではなく、自分だ
この人との、このやり取りはいつもの事なのに、毎回すぐに許してしまう
シャンクスに落ち込む顔は似合わない
彼の男気にホレたからこそ仲間になったし、”船長”と仰ぐのだから