第18章 不器用な男達
~赤髪海賊団~
船はいつもと違った雰囲気に包まれていた
頭(かしら)と幹部達が、鷹の目と数日間にも及ぶ大宴会を終え、島を出てから、しばらくたつが…………
頭と幹部達が船長室に籠っている
出航の指示をしてから船内に入り、誰も出てこない
いつもなら、ガヤガヤと騒がしいく、陽気な声を張上げる仲間達も、さすがに不安を隠せずにいた
こんな事は初めてで、仲間達の間では、いろいろな噂が飛び交っている
「行き先で揉めてんのかな?」
「それにしちゃ長すぎだろうが………」
「なんか怒ってるのか?」
「いや、頭は俺達を試してるんじゃ………」
「誰か病気かも…………?」
様々な意見で、一瞬だけ賑やかになるが直ぐに皆黙ってしまう
「オレが思うに、”鷹の目”だな!」
誰かが自信ありげに声を張り上げた
甲板にいた者は皆、聞こえた方に注目する
「この前、突然現れたあいつが関係している、とオレは思う」
確かに、鷹の目が来てからの数日は、頭も幹部達も上機嫌で、いつもより宴が盛り上がった
末端の乗組員には知らされていない何かがあったと思うのも不思議ではない
「でもよ?あんなに盛り上がってたのに今は真逆だぜ?」
静まりかえった船内は、島での大宴会が嘘のようにシンッとしている
「オレ、見ちゃったんだな~鷹の目が去り際に頭に何か話してるのを…………」
「「「それだッ!!」」」
世界一の剣豪で、七武海、頭の元宿敵
そんな奴からの情報だ、きっと重大な事が起きているに違いない…………
「近々戦闘があるかもな…………」
「だよな?あの”鷹の目”からの情報だもんな」
うんうんと頷く彼らは、納得したように素振りや、組み手をし出した
きたるべき戦いで、幹部達に遅れを取らぬよう腕を研く
海賊にしては真面目な考え方だ
これも頭であるシャンクスの人柄によるものだろう
しかし、当の本人と幹部達は船長室で……………
「イリスは、いつこっちに来るんだ?」