第18章 不器用な男達
「あらららら~ちょっとガープさん落ち着いて!」
先日の会議で、青キジの大笑いが原因でイリスにバレたのを思い出したガープは、自室内にも関わらず青キジに向かって拳を振るう
容赦なく振り下ろされる拳骨
家具が次々と壊れていくのも構わず、ガープは青キジを追いかける
並みの海兵ならば、既にボコボコにされている攻撃だが、青キジも大将の端くれ
驚異の瞬発力を見せ、ガープの拳骨をかわしていく
「このっ!」
「貴様っ!」
「さっさと殴られんかっ!」
怒りにまかせた攻撃は、当たることなく空を切る
「いやいや、俺も一応大将なんですがね~」
ガープ”中将”より一階級上な”大将”であることを強調してみるが、ガープがそんなことを気にする訳がない
上下関係の厳しい軍であっても常に自由人
その奔放さに、結局まわりが折れてしまう
青キジに向かうことを止めないガープは、激しい音に集まった部下と、センゴク元帥によってなんとか取り押さえられた
センゴクは、先ほどからの怒りに更に拍車がかかり、大量の始末書をガープに命じた
だが、ガープの執務室はメチャクチャで、机もイスも跡形もない
”船の中で書く”と言うガープの提案は却下され、センゴクの部屋に簡易デスクを置くこととなった
ガープはそこで始末書製作と、センゴクのお説教を同時にこなすはめになった
「あ~の~?なんで俺まで…………?」
ガープの机の隣に青キジの机も置かれている
被害者のはずである青キジは、自分がセンゴク元帥の部屋で始末書を書く意味が分からない
「喧嘩両成敗だな」
本部内での戦闘は軍律で禁じられている
中将、大将だからといって例外ではない
青キジは理不尽を感じ、アイマスクをして眠ってしまった
ガープは、目の前の始末書の山を無視して、渋茶とせんべいで、くつろぎ始めていた
自由なガープと青キジに、センゴクの悩みは尽きることは無い…………