第18章 不器用な男達
電伝虫を切ったガープは、やって来た客に向き合い用件を聞く
「あの~ガープさんに勝ったらイリスちゃん紹介してくれるって本当ですか~」
気だるい雰囲気をまといながら、大将青キジが部屋に入ってきた
いつもダラけてやる気のない彼が、自ら足を運んで来た事に驚く
「なんじゃ?お前も医務室に行きたいのか?」
バキバキと拳を鳴らし、戦闘準備に入る
(こいつには本気でやらにゃならんの……)
海軍本部大将青キジ
世界政府”最高戦力”の肩書は伊達ではない
ガープは気合いを入れて向き合うが、青キジはパタパタと手を振り、戦意が無い事を示す
「いやいや、違いますって~、医務室で寝たいのは山々なんですがね、流石にベットが空いてなくて原因聞いたら皆、ガープさんに挑んだって言うもんだから………」
ホントか確かめに来た、と言う青キジはそのままソファに寝転び、あくびをしながら、くつろぎ始めた
「で、ホントなんですか?」
「ま、その通りじゃの」
悪びれることもなくガープは答える
怪我した海兵達は、イリスを守るための必要な犠牲と割りきっているようだ
「そこまでするなら、さっさと手元に置いとけばいいじゃないですかぁ~?」
女の子が海を旅してる方がよっぽど心配でしょうに………
「そうしたいが、無理に海軍に入れて嫌われるのはイヤじゃからのう………」
イリスに嫌われるとなると、途端に消極的になってしまうガープに呆れる青キジ
「この前の件で”大っ嫌い”って言われてたような…………」
青キジの呟きにガープは、
「い………い…いったい、誰のせいでバレたと思っとるんじゃ~~~~!!!」
ガープに耳元で思いっきり怒鳴られ、青キジの眠気は何処かへ吹き飛んで行ってしまった