第17章 ハートの海賊団にて
食堂に戻ってきたペンギンが見たのは、不機嫌なローと、必死で新聞と手配書の束を調べる仲間達の姿だった
「船長、これじゃないッスか? "ガルバリ・A・ストランザー" この"A・ス"の部分がエースじゃ…………」
いかにも海賊らしい風体の男だが………
「あ゛ぁ?そんな爺ぃなわけねぇだろうが!」
写真はかなり年季の入ったもので、見るからに60代は過ぎている
「船長!これかも "エーダム・スザンナ" 頭文字をとってエースじゃ………」
「……………そりゃ女だろうが」
声の方向に目を向けると、そこには恰幅のいい壮年の女が写っていた
最早、怒る気も失せる
次々に見せられる的はずれな手配書や、新聞の記事にうんざりしていたローだが、
「これだぁ!船長! "エースザール" けっこう若いし、ちゃんと男です」
今までで一番名前も、容姿も、まともな奴が出てきた
ふんっと鼻を鳴らし、手配書を睨み付ける
こいつかも知れない………なんて思っていたら
「あの~スンマセン船長………全然違います」
いつの間にか戻って来ていたペンギンによって、全否定される
ギロリとした鋭い視線と、疲労と安堵が混ざった視線を受け流す
ペンギンは、床に散らばる手配書には見向きもせず、本棚にある高額手配者リストから一枚抜き出し、全員に見せる
「イリスさんのエースは、この "ポートガス・D・エース" ッス」
そこには真っ赤な火炎を身に纏う "白ひげ海賊団 2番隊体長" の姿があった
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《火拳のエース》
ポートガス・D・エース
懸賞金 5億5千万ベリー
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