• テキストサイズ

背中を追って【ONE PIECE】ワンピース

第17章 ハートの海賊団にて




(なんで俺まで………)


ペンギンは、とばっちりでバラされたことにため息をつく
間が悪かったとしか言いようがない状況

頭だけでは向きを変えるのも一苦労だが、一緒に来たイリスさんは大丈夫だろうか、と必死に辺りを見回し……


「………?」


ペンギンは、ふと気づく
先ほどまでの喧騒は収まり、バラされた仲間の悲痛な声がその場にこだましていることに







突然、食堂の真ん中に現れたイリス

ほとんどの者はその動きを、目で追うことすら出来なかった
驚きで静まりかえる食堂だが、それだけでは無く、彼女の服装にも目を引かれていた

自分達と同じ簡素なつなぎ服、それを可愛く着こなす姿に思わず目尻が下がる


船長が仲間にしたのか?
着る人によってこんなに代わるとは………
可愛い………


遠巻きにひそひそと囁かれる言葉に、ローは眉間に深いシワをつくる


ペンギンの思った通り、ローはイリスの格好に満足していた
だが、今のこの状況には不満がある


イリスが高速移動したことも、仲間達の注目を集めていることも、自分の方を全く見ずにバラされた奴らを見ていることも、すべてにおいて不満だらけなローだった

「………ッ!」

声をかけようと口を開きイリスを見たときには、彼女はバラされた奴らのもとに駆けよっていた





イリスはサークルから難なく抜け出し、元いた場所を見る

そこにはバラバラになった人達

声も出ないほど驚くが、全く痛くないことを思いだし、ちょっとホッとする

(いきなり、ああいうことするのってヒドイわよね~)

バラバラなペンギン達を見ながら、イリスは食堂の真ん中で思案する

自分が注目を集めている気がするが、そんなことよりバラされた人達を治してあげなくては……と思い、周りと、背中から突き刺さる視線を無視して駆け寄った




/ 365ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp