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背中を追って【ONE PIECE】ワンピース

第16章 空の上 海の中



船長トラファルガー・ローが船に戻って来た時、その腕の中には一人の少女が抱えられていた

医務室に着くまでの間、船員達が何か言いたげに視線を送るがローは全て無視したため後から着いてきていたペンギンが質問責めにあう


「えっ?あの子があの鳥?」

「そうだ……」

「能力者か?」

「そうだろうな……」

「あの顔、例の天使か?」

「たぶんな……」

「キャプテンが女を船に乗せるのって…………」

「……………あっ!船長命令、小舟にいる男と荷物を船に引き上げろってさ」


頼んだぞ~といい放ち、仲間の質問から逃げるように先を行く船長を追いかける


ペンギンは見てしまったのだ、イリスを抱き上げた船長の口元が怪しく笑っていたのを………
これから何かが起こる予感がしてたまらない

(船長も何考えてんだか………)

イリスを抱くローの背中にペンギンは黙って着いていった





風呂場に押し込められてどれくらいたっただろうか……ベポは退屈していた
ここにあるのは小さな浴槽とシャワー、洗い場と一緒になった洗面台だけだ

密閉されたこの空間には窓も無く、ただ換気扇の回る音が響くのみ………


「もぅ~いつまで~?」


言われた通りにシャワーを浴び終えたベポはやることが無いのでドアに向かって話しかける
ドアの前にはローからの伝達役で二人の仲間が待機し、ベポの話し相手もしてくれていた
だが、それでも長時間閉じ込められてはさすがに飽きてくる

「まぁ落ち着けよベポ、病気になりたくねぇだろ?」


船長が自分の身を案じてしてくれた措置なのはわかっているでも…………


「オレ、ずっとここから出られないの?」

「ずっとではないだろ?そのうちだよ、そのうち、なっ?」

「そのうちっていつなの~?」


ふて腐れた声をあげる白クマをなだめるため、一人がローに指示を求めにその場を後にした


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