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背中を追って【ONE PIECE】ワンピース

第16章 空の上 海の中



医務室に二人を寝かせて早速治療をはじめる
年齢、性別、体格から抗生物質の量を割り出し、投与を指示する

見たところ二人とも初期症状だが男の方が症状が重いようだ……体力の違いからいって女の方が重症になるはずなのだが……?


考え込むローをよそに船員達は診察台に横たわるイリスのまわりに群がっている


「これが《傾国の天使》かぁ~」
「おっ!ほんとだ同じ刺青が……」
「か~わい~いなぁ~」


しっかりマスクと手袋をして治療の手伝いに来たはずの仲間達は苦しそうな病人のまわりであれやこれやと騒ぎたてる
ローは思考を中断し彼らを睨みつけた


「…………………ッオイ」



真冬の海に落とされたかのように固まる船員達
いきなり現れた《噂の天使》に騒ぎすぎたと反省するが、もう遅い………彼らはローの逆鱗に触れてしまった



船長にして医者であるトラファルガー・ローは医療に関してかなりストイックだ
医学のことなら何日でも自室に閉じこもり、徹夜で実験を繰り返す彼の顔から隈が消えることは無いと言う


そんな彼の前で病人の治療もせず、女のようにペチャクチャ話していたのだ
彼らはイリス達とは対照的に真っ青な顔色になった



「お前らここがどこだかわかって無い様だな………」



「スミマセン船長!」
「ふざけすぎました!」
「もうしませ………ギャーッ」



(怒っている、無理もない………)

ローと一緒に医務室に入ってきたペンギンは男の方を治療しながらバラされた仲間達に憐れみの目を向ける

医務室でふざけたこともだが、ローの思考を邪魔したことでいつも以上に頭にきていたようだ、バラし方が通常よりも細かい………


(直るのか?あれ…………)


ペンギンはバラされた仲間達がホウキで掃かれるように医務室から追い出されるのを黙って見ていた


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