第15章 事件は会議室から
青キジの言葉に同意した将校達
当然ガープも同じで、唸るように呟く
「そんなことは昔から分かっとるわい………」
イリスも、ルフィも、エースも、健全にたくましく育った可愛い孫達だ
海賊になりたいと言いだした彼らを引き止められなかったことが、祖父としても海軍中将としても大きな損失だった
全員が海軍に入ってくれたならばガープの愁い事は無くなり、静かに老後を過ごせたのだろうが実際はその逆………彼にはこれから苦しい選択が待ち受けている
今日、何度目かの深いため息が会議室に響いた
~ハトバ島・宿の部屋~
「おじいちゃんなんて……………大ッ嫌い!!!」
渾身の力を込めて叫ぶイリス
祖父の声が聞こえた気がしたがそれどころではなく
電伝虫をきった
(自分は何を話した?)
祖父ならば、ある程度の問題発言も目をつむってくれるだろうが、他の海軍関係者も祖父と同じだと言うことはないだろう
自分の発言が誰かの迷惑になってはいないだろうか……
思い出そうとしても興奮状態の頭では自分が話した内容すら何も思い出せなかった
「グレイス?私、何喋ってた?」
「大丈夫、たいしたこと言ってないわよ?」
すがるような目でグレイスを見つめるイリスをやれやれと、なだめるように話し出した
手配書への文句とグレイスの事
手配に至る経緯と無実の訴え
ミホークのおじ様に出会った事
お父さんの所で悪魔の実を食べて能力者になった事
エースに対するのろけ話をしたら
笑われて、盗み聞きをされているのに気づいた
淡々と話すグレイスに黙って聞き入る
「………………………」
だんだんと落ち着いてきたイリスは、自分の記憶と聞いた話が一致してきた