第15章 事件は会議室から
満足そうなガープに意見できる者は誰もなく、皆この件についてはガープの意向に沿うこととなった
「あららら~?でも、な~んか違う意味で捕まえたいよね~?」
手配書の写真
ガープとの会話
そこから感じとった性格、声
すべてが青キジの好奇心を刺激した
善良な一般人とは言いきれないが、捕まえる程の悪人でもない、そんな彼女に対しての個人的な感想を呟きニヤリとした青キジ
「君が他人に興味をもつなんて珍しいね~」
隣の黄ザルが面白そうに話しかける
「おやめ、話を蒸し返すんじゃないよ!」
おつるは釘をさしたが、すでにガープの耳には届いていた
「青キジ………貴様………」
意味深な発言にガープの目尻がつり上がり
ピキッっと額に血管が浮かび上がる
拳を握りしめ青キジに向かい一歩踏み出した
「やだな~ガープさん!違いますよ?俺はただ純粋に会ってみたいな~って………」
冷や汗をひとすじ垂らして弁明する青キジ
今だに衰えない覇気をまとうガープ
伝説の海兵の名は伊達ではない
「ほっほら……?ガープさんも言ってたじゃないですか?海軍に入れって!勧誘のため?みたいな?」
いつものダラけきった彼からは想像もつかない
しどろもどろな対応に将校達から笑みがこぼれる
「彼女、自分の実力が分かってないみたいだし?なんかもったいないじゃないですか?」
彼女が海軍に入ればその才能は開花され、瞬く間に地位を上げていくことだろう
その場にいた誰もがそう思っている
だが、あえて口には出さなかった
ガープへの遠慮と、少女に政府の闇の部分を知られる事を躊躇ってのことだ
地位が上がれば、それにともなって飲み込む言葉も多くなる
理不尽と無力感にさいなまれ、辞職したり、心を病んでしまった元同僚達は、イリスのように純粋で真面目な者が多かった