第15章 事件は会議室から
『…………………どういう事?』
できるだけ冷静に祖父を問いただす
努めていなければ怒鳴り散らしてしまうだろう
「その……なんじゃ……実は……の…」
祖父の歯切れの悪い言葉がイリスの感情を逆撫でする
『今どこにいるの?何してたの?誰といるの?』
だんだん語気が強くなる
電伝虫の目もそれに合わせてつり上がっていく
「今……本部で…将校ら……と…会議中………じゃ……」
祖父は今まで聞いたことのない小さな声でぼそっと呟いた
『んなっ!………ッ?』
一体いつから?
………たぶん最初から
どれくらい話してた?
………もう一時間位
何を話した?
………手配書の事、悪魔の実の事、そしてエースの事
『☆#※♯@£………!!』
信じられない………おじいちゃんだと思えばこその会話内容、口調だったのに
祖父に対する怒りもあるが、それ以上に恥ずかしい………
自分は一体何を話してた?
思いだそうとするが、頭が追いつかない
ガープ側の電伝虫の表情が目まぐるしく変わっていく
「あららら……可哀想に…」
青キジの言葉に怪訝な目を向ける
誰のせいで盗み聞きがバレたと思っているのか………
「オー…………君のせいだよ?分かってるかい?」
「センゴクさんの声の方が、でかかったじゃないの~」
「貴様の笑い声でもうバレとったわい!」
センゴクは思いがけず手に入った情報にすこぶる満足していた……が、出来ればバレずに電伝虫を切りたかった
海軍を警戒されるのは得策ではないし、孫娘に甘い同僚の事を考えると申し訳なく思う
センゴクの心配はよく当たる
イリスの口から止めの一言が発せられた
『おじいちゃんなんて………大ッ嫌い!!!』