第15章 事件は会議室から
(《えへへっ!》じゃないわい!!)
この状況が分かっていないイリスにガープの額からは冷や汗が落ちる
自分に向けられる視線の質が、先ほどまでとは明らかに違う……
彼らはイリスを自分の孫娘としてではなく、《特異な能力者》《研究対象》《捕獲対象》として見るようになった
このままでは、センゴクが提示してくれた《海軍からの追跡無効》も意味がなくなってしまう………そう思ったガープは先手を打つ
「そうかそうか、そりゃすごいのぅ!そうじゃイリス!久しぶりに、じいちゃんに会いに来んか?」
先走った誰かが行動を起こす前に自分の監視下に置こうと思った……それに、もう2年以上イリスに会っていない
「ここには温水プールもあるからの!お前の能力がどんなものか、じいちゃんも見たいの~」
海軍に入れとは言わず、《会いたい》と言う……無理に言っても反発されるので優しいイリスの良心に訴える方法をとる
案の定イリスは、海軍に誘った時の即断即決ではなく考え込んでいる
『私も、おじいちゃんに久しぶりに会いたいわ………でも…………』