第15章 事件は会議室から
ガープは質問を続けた
「お前は海に落ちる事を考えんだのか?」
『足場になる船を運びながらだから問題ないと思って……それに落ちても浮ける事が分かったから』
《浮ける》とは一体………?
「お前……海に落ちても溺れんのか?」
ガープの問いにまわりは《あり得ない》といった顔をしている
悪魔の実を食べた者が海に嫌われるのは力を得た代償である
それはどの能力者にも言えること
例外は無い………今までは…………
『うん!大丈夫みたい、鳥型ならね?浮いていられるわ』
「「「「「!!!!!」」」」」
センゴク達は驚愕した
悪魔の実については政府や海軍でいろいろ調べられてはいるが、まだ解明されていない部分も多くある
今聞いた限りでは、彼女の能力は研究対象になりえる珍しいものだ
センゴクの頭にはイリスを捕らえ海軍に入隊させ研究に協力させようか……という思いがよぎったが、ガープはそれを許さんだろうな…と、チラリと隣を見た
案の定センゴクの考えを読んでか、ガープは険しい表情でこちらをにらんでいた
ガープもイリスを海軍に入隊させたい思いはあるものの、政府の研究所で実験体にされるのはまた別の話だ
そんな祖父の思いはイリスに伝わるはずもなく、更なる衝撃発言が飛び出した
『私、真水のプールでなら泳げるんじゃないかと思うの!まだ試したこと無いんだけど………』
えへへっ!と、はにかむような笑い声が電伝虫の向こうから聞こえた