第15章 事件は会議室から
青キジは黄ザルに抑えられているが、他の将校らも込み上げる笑いを抑えるのに必死になっていた
普段のジュラキュール・ミホーク〈鷹の目〉を知っているがゆえに、二十歳そこそこの小娘におじ様呼ばわりされる彼が想像できない
「ぶわっはっはっはっはっ!なんじゃい?イリス、お前〈鷹の目〉に会ったのか?ぶわっはっはっは!」
今この会議室で唯一、声をあげることができるガープは、電伝虫に向かって大笑いする
将校らはガープの笑い声に隠れるように息をつき、なんとか冷静さを取り戻した
『えぇ、東の海で会ったわ!優しくて素敵なおじ様よね?』
〈優しくて素敵〉
王下七武海の一人〈鷹の目〉彼をどこからどう見たらそう表現出来るのか
冷静さを取り戻したはずの将校らの肩は、また小刻みに揺れだした………
先ほどから全員がイリスの発言に驚かされてばかりである
『おじ様がこの島のエターナルポースをくれたのよ?〈お前なら飛んで行けるだろう〉って言ってね………』
飛んで行ける?
『力つきて落ちても〈浮けるなら問題ない〉って………』
浮ける?
『で、お別れの時、会えなくなるの寂しいって言ったらビブルカードをくれたの〈いつでも飛んで会いに来い〉って………』
また飛んで?さらに、会いに来い?
〈鷹の目〉がビブルカードを?
気になる単語が次々と出てくる
聞きたい気持ちが隠しきれず、そわそわと落ち着きのない将校は1人や2人ではなかった
ガープに目配せや、メモ、ジェスチャーがどんどん送られて来る
「おいおい、イリス……もっと分かりやすく話さんか?」
イリスの話を聞いていたガープにも、わからない所が多々ある、それにまわりがうるさい………一言も発されてはいないのだが、視線やメモがイヤでも目に入る
「コホン………まずは〈鷹の目〉の言った〈飛んで行けるだろう〉とはどういう意味じゃ?」
1つ目の質問、うなずく外野達
そこに………
『あれっ?言ってなかった?私、悪魔の実を食べて鳥人間になっちゃったのよ』