第15章 事件は会議室から
『……………』
「……………」
二人は互いに黙ったまま時が流れる
『……ウッ……ウッ…グスン…』
電伝虫の顔が次第に曇りだし、うっすら涙目になってきた
今にも泣き出しそうなイリスにオロオロするガープ、そんなガープにセンゴクはメモをまわす
センゴクは正面を見たまま動かない……ムスッとした表情は照れ隠しなのか?
ガープはメモを見ると表情を一変させ、電伝虫に声を送る
「イリス?イリス聞いとるか?取り消すことはできんが、海軍からの追跡は無いぞ!」
『??』
「「「??」」」
まわりの将校らもイリスも、意味がわからずポカンッとする
「お前に非がないのはあきらかじゃ、海軍も罪の無い者を捕まえるほど暇じゃないっと言うことじゃよ………」
(天竜人には捕らえようという姿勢をだしておけばよいし、東の海の王族なんぞ無視しても問題ない………)
センゴクの計らいによってイリスを狙う者は少しだけ減った
「表だって公表はできん、なので海兵の末端には行き届かんが、お前なら大佐以下に狙われても問題なかろう」
ガープの言葉に皆、イリスの実力を推し量る
(さすが、ガープの孫だ…)
(海軍に迎えればいい…)
(人は見た目じゃないな……)
様々な思いは口に出されず、ガープとイリスの会話に聞き入る
『う~ん?大佐がどれだけ強いのか見当がつかないんだけど………おじいちゃんより強い人じゃなければ逃げれるかも?』
「「「……………」」」
いったいガープより強い者が海軍に何人いるか……
わざわざ手配書取り消さなくてもいいんじゃね?
なんて声が聞こえて来そう………
「そうじゃろ、そうじゃろ、あとは海賊と人さらい屋に気をつければなんの問題もない!」
『人さらい屋って何?』
海軍には関わらないようにするし、海賊はもちろん注意する、でも〈人さらい屋〉なんて聞いたことない