第15章 事件は会議室から
「ぶっ!ぅぐむ………うぅっくっ……」
青キジが吹き出し、大笑いしだすところを隣の黄ザルが何とかおさえた
〈愛人〉
その言葉と手配書の中のイリスの姿に顔が赤くなる将校達
もちろんガープも、である
「なっ……なんじゃあ?愛人とはどういう事じゃ!」
ガープは思ってもいない返答に目を白黒させている
『あのね、逆らったんじゃなくて断ったのよ……』
イリスは王様とのやり取りをガープに説明した
君はいくらで買えるのか?と言われたり
手を握られた、とか
それをやんわり断った事
その後、海賊が街に来た事
王様の護衛をぶっ飛ばした事
『それで、海賊の方に行ったら女の子が人質になってたの、助ける為に従ったら服ビリビリにされちゃって………で、その写真みたいになっちゃったのよ……』
だから私は無実です!そう自信をもって言うイリスの言葉に、その場にいた将校らは頷く
確かに彼女に非はない、むしろ海賊を倒した事を感謝されてもいいはずなのに……これだから王族は………
皆、口には出さないが誰が悪いかは分かっている
「なるほど……そう言うことだったのか……」
『そうなの!だから手配書取り消して!そして回収して!』
やっと電伝虫をかけた目的を祖父に伝えることができたイリスは、話の流れで無実をわかってくれたのもあり、二つ返事で取り消して貰えると考えていた
「無理じゃな」
祖父の無情な言葉にまた泣きそうな声になる
『どうして……わかってくれたでしょ?』
「すまんイリス……お前が無実なのはわかっとるが……」
〈天竜人〉からの依頼を無断で取り下げる訳にもいかず、それをイリスに伝えることも出来ないガープは言葉を濁すしかなかった