第15章 事件は会議室から
『ちょっとおじいちゃん、落ち着いて!!!』
ガープの怒号に電伝虫が目を吊り上げて叫んでいる
会議室でもガープの怒りに部下はびびっているが、センゴク、おつるなどは、見馴れているのか〈またか……〉という顔であきれている
ガープが孫娘に甘いのは周知の事実なのだ
『大丈夫だから!そんなんじゃないのよ、ちょっと待って………グレイスかわって……』
イリスは簡単な祖父の説明と、誤解を解いて欲しいと言ってグレイスに電伝虫を渡した
『……初めましてイリスちゃんのお祖父様、グレイスと申しますわ。』
「「「…………………」」」
その声が聞こえた瞬間、会議室に何とも微妙な空気が流れた
ガープは、怒りの矛先をどこに向けていいのか解らず唖然としている
『イリスちゃんとは仲良く旅をしてるのでご安心下さいね♪つきましては、手配書の名前の件よろしくお願いしまぁす♪』
「あっ?あぁ……わかった…………」
勢いに流されてつい承諾の返事をしてしまう
『………ありがとグレイス…………ね?大丈夫でしょ!』
グレイスから電伝虫を受け取り、満面の笑顔で祖父に話しかけた
「まぁ………大体わかったがのぅ……」
腑に落ちない、素性が知れない相手である事には代わりないからだ……しかし
『ありがとう!おじいちゃん大好き♪』
この一言で全てを許してしまった
「おおぉ~そうか、そうか!気をつけるんじゃぞ~」
にやけ顔のガープをセンゴクは睨みつけるが、本人は気にする様子もなく話続ける
反れていった話を戻して、イリスに質問する
「軍の創設には関わっとらんのじゃな?」
『うん!』
「王族に逆らってもおらんな?」
『…うっ…うん』
素直なイリスはウソが下手だ
「逆らったんじゃな?だからこういう事になるんじゃ!」
ガープは本当の理由を上手く隠せたと思い、この理由で押しきろうと語気を強める
『でも……おじいちゃん……』
「でもも、何も、ない!偉そうな奴には逆らわんことじゃ!!」
こちらの言い分も聞かない威圧的な言葉に、ムッとしたイリスも言い返す
『何よ!じゃあ私に、王様の愛人になれって言うの?!」