第15章 事件は会議室から
スカーレッ島……自作の羽根飾りを売り物にフリマをした島……
『そんな事してないわよ?ちょっと話しただけ…』
イリスの中で、王様との出会いはそれほど記憶に残っていない……
「そうなのか?国民を扇動して軍の創設を後押ししたんじゃないのか??」
今のあの島には立派な軍隊が出来ている、海賊から国を守る確固たる役職で、国民からの信頼も高く、地位もどんどん上がっている
逆に面白くないのは王族達で、人気は落ちるし、自由に政も出来なくなってしまった
その事を恨んで、海軍に写真と情報提供を申し出てきた王様からは都合の良いことしか伝わってないようだ
『してないわよ!自警団を作れば?って提案しただけだし、それに実際提案したの私じゃなくてグレイスだもん』
初めて聞く名前が出てきた……グレイス?一体誰だ?
ガープも、聞いていた将校達もその人物が気になる
そこへちょうどグレイスが戻ってきた
『イリスちゃ~ん、ちょっと落ち着きましょ~』
手にはポットとティーカップ
どうやらお茶を入れてきたようだ
彼女はイリスが電話中なのに気づいて小声になる
『ごめんなさい!誰と話してるの?』
さっきより機嫌の直ったグレイスを見て安堵する
そして
『あっ!そうだ!おじいちゃん、手配書の名前って変更可能?』
イリスはグレイスの為に名前を変えて貰おうとした
「記載に間違いがあるなら可能じゃよ?」
ガープは答えるが、彼女の名前はどこも間違ってはいない、なぜそんな事を聞くのか不思議に思っていると
『間違ってたよ?このグレゴリアスって手配書の彼、ほんとはグレイスって名前なのよ』
直してあげて?と、可愛くお願いされたが、また出た、グレイスの名前……そしてグレゴリアス?彼?
「………誰じゃ?それは?」
部下にその手配書を探させながらガープは眉間にシワを寄せている、普段の柔和な雰囲気が消え、まわりにも緊張がはしる
『一緒に旅してる子なんだけど名前が違うって怒ってるのよ……』
部下から差し出された手配書には男の写真
ガープの額に青スジが浮かぶ
「一緒に?男とか!!嫁入り前の娘が何をしとるんじゃ?!!」