第14章 2つの手配書
「〈私はあなたにふさわしい〉よ!私この意味が、一番好きなのよ……」
エースの方を見ながら、教えてくれたナースはその意味にいい思い出があるのか、優しい笑顔だった
「「「……………」」」
仲間達とじゃれあうエースと、手配書のイリスを交互に見る
「気の強い子なのかねい?」
「そうか?強がりちゃん、だと思うぜ?」
「グララララッ!何にせよ、お似合いの二人だな!」
白ひげ達はイリスがエースに会いに来るのが楽しみだな、なんて話ながらどんどん盃を空けていく
「おいエース!俺のイリスちゃんと何したんだよ?言ってみな?」
ガシッと肩を組みエースに顔を近づけるサッチ、酔っているのかニコニコと楽しそうだ
「言うかよっ!バカヤローッ!!それにてめぇのじゃねぇ!俺のだ!」
「あぁ~早く会いたいな~イリスちゃ~ん!一番最初は俺に紹介しろよな!なっ?」
「バ~カ!最初は親父に決まってんだろ?」
組まれた肩を押し退けるエース
「じゃあその次!二番目な!絶対だぞ、約束だからな!」
笑顔で迫ってくるサッチだが、よほどイリスに会いたいのか、鬼気迫るものを感じた
エースは仕方なく、紹介だけだぞ!と念をおして約束した、しかしその約束は果たされることはなかった……
~ハトバ島の宿~
イリスとグレイスは、ひとしきり叫んでから手配書を凝視していた
「なッ……んなっ……なっに?…………!!」
「いぃやぁ~!!!!なにこれ~!」
二人が見ているのは別々の手配書
イリスは自分のあられもない姿の写真に絶句
グレイスは写真より別のところに反応していた
「ひどいわ~!何よコレ~!!」
グレイスの手配書を覗きこんでも変わったところはない、いつもよりちょっとだけ勇ましいグレイスが写っているだけだ