第14章 2つの手配書
「別に変な写真じゃないわよ?私の方なんて………」
握る手にも力が入り、手配書はシワだらけになった
「そお?なかなか上手く撮れてるじゃない!」
グレイスはシワを伸ばしながらイリスの写真を見て感想を述べる
構図、ピント、光の加減、どれも自分の写真より良く撮れている
「それより私の方を見てよ!!」
ほら、コレ!と、差し出されたグレイスの手配書を見てもやっぱり何が問題なのかが分からない、至って普通の手配書だ
「…………?」
解らずに首をかしげていると、焦れたように指差してきた
「んも~!ここよ!コ・コ・!」
グレイスが指差したところは名前、
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
《グレゴリアス》
賞金額 2千万ベリー
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
「あ?あ~ッ!」
あ~なるほど………グレイス、そっちの名前で呼ばれるの嫌だもんね~
「んも~んも~!!信じらんない!!!」
グレイスはプンプンしながら部屋を出ていった
グレイスの怒りに圧倒されて、自分の事をすっかり忘れていたイリス
「っ!こんな事してる場合じゃなかった………急がなきゃ!!」
イリスは自分の荷物をガサガサあさり、何かを探し始めた