第14章 2つの手配書
皆の視線を受けてさらに顔に熱が集まるエース
「あらあら、真っ赤だわ~かわいいっ!」
「ウフフッ!ほんと!!」
「エース君の恋人に会ってみたいな~」
きゃっきゃっと盛り上がり続けるナースは止まらない
「おいおい、そろそろ答えてくれよい!?」
「フフフッ止めとけマルコ、後が恐いぞ?」
女のお喋りに口を挟むとロクなことが無い
「………で、何だったかしら?」
「花言葉じゃない?」
「そうそう!バラの花言葉よ!」
一段落ついたナース達は知りたかった事について話してくれた
親父を囲んで一杯飲んでた男達は、やっとかよ………と思いながらも決して口には出さない
「バラも色によって意味が違うのよね~」
「この子の刺青は白バラよね?」
「じゃあ意味は、〈尊敬〉〈純潔〉〈無邪気〉ってところが一般的ね!」
「なるほど………」「へぇ~」
すらすら出てくる意味に男達は感心した
エースも、どの意味もイリスに似合ってるな、と1人で満足していた
「あっ!!〈相思相愛〉ってのもあるわよ?」
「あら、素敵じゃない!」
「エース君への告白かしら?」
ニコニコしながら見てくるナース達
ニヤニヤしながら見てくるイゾウ達
「べっ…別にいいんじゃねぇの?あいつが何入れようと俺には関係ねぇよ…」
素っ気ない態度をとり、その場を離れるエースだが、耳まで真っ赤な顔では説得力が無い
「素直じゃないねい?」
「だな~?嬉しいくせによ!」
「グララララッ!まったくだ!」
追いかけて行った仲間に囲まれ、もみくちゃにされるエース
遠くからそれを見てマルコ、イゾウ、白ひげはクスクス笑った
「あっ!白バラの花言葉まだあるわよ?」
1人のナースが話しかけてきた
二人と白ひげは興味深く聞き入る