第14章 2つの手配書
白ひげ海賊団船長、エドワード・ニューゲート 通称白ひげ、が船内から出てきた
「おめぇら、これはどういう事だ?」
所々焼け焦げた甲板を見回し、隊長達に説明を求める
「それが……親父……」
「あいつら血の気がありあまってて………」
後から出てきた隊長達も喧嘩の原因までは知らず、言葉を濁す
「これが原因だよい……」
最初から事の成り行きを見ていたマルコが、落ちている手配書を拾い上げ説明しだした
エースの弟と恋人に手配書が出たこと、サッチが恋人の写真をからかった結果、エースがキレて今に至る………と。
「なるほどな…………」
「確かに美人だ!」
「こりゃ心配にもなるな~」
「エースにゃ勿体ねぇ」
イリスの手配書を見た隊長達は、サッチほどでは無いがニヤリと口の端を上げて笑った
「ふん!ケツの青いガキどもが…………」
白ひげは手配書を一瞥して前に進み出ると、甲板を跳び跳ねる二人に向かって拳をひと振りした
大気を震わせた振動が、二人の脳を揺さぶる
あっという間に気を失った二人に白ひげは、
「反省するまで吊るしときな………まぁ日没までってとこか?」
「「「了解!」」」
そうして二人は、マストから吊るされた
「マルコ~もう日没だぜ~?」
「太陽も見えねえよ?」
二人は遠くの水平線に赤い光がかろうじて見えるのを確認してマルコに訴えた
「反省したのかよい?」
「「した!した!」」
「もう手配書で揉め無ぇかい?」
「「無い!無い!」」
腕を組み、二人の足下から睨みをきかすマルコは、フワリと飛び上がり炎の羽で二人を吊るすロープを焼き切る
ドスンッ
ガシッ!
甲板に落ちた瞬間に胸ぐらを掴みあう二人に呆れたマルコは
「全然反省してねぇじゃねぇかッ!!」
ガツンッ!と拳骨を二人の頭に落とした