第14章 2つの手配書
「おいマルコ~もういいだろ?降ろししてくれよ!」
エースの言葉に、隣のサッチも大きく頷く
「い~やダメだよい!親父は日没まで頭を冷やせって言ってたからねい……」
「「えぇ~~~~~~!!!」」
こんな事になったのは一羽のニュースクーがこの船に来たのが始まりだった…………
朝、甲板から海を眺めるマルコにニュースクーが近づく
「おう!今日もごくろうさんだよい!」
受け取った新聞を毎朝、親父の元へ運ぶのがいつの間にか習慣になっていた
「どこも物騒だねい…ヴィラでクーデターかよい」
軽く目を通して挟まれた手配書を見る
「モンキー・D ・ ルフィ………と、イリス?」
どっかで聞いた名前だ……それも最近……
どこだったか?と頭をひねるマルコの前に、寝ぼけた顔したエースが現れた
「おぉ~す!おはようマルコ~」
まだ半分眠りの中にいる弟分を見て思い出す………そうか!こいつの
「おはよい!エース!これ見てみねい?」
眠気なんか吹っ飛ぶぞ~と、意味深なマルコから手配書を2枚受けとり、半分閉じかかった目で一瞥した
「!!!!!!」
さっきまでとは別人のような顔のエースは、驚きのあまり声も出ない………半分だった目は2倍になっていた
「やっぱりお前の弟かよい!」
笑顔で写る弟はいいとして、こっちの恋人が問題だろう……
まさかお尋ね者になっているとは……そしてこの写真…………
「やっとお前の彼女の顔がわかったよい!美人だねい?」
「……………………………………………」
固まるエースを覗きこみ、からかってみるが反応は無い、無いと言うか聞こえていないのだろうか……
そんな二人に、ぞろぞろと起きだした船員達が集まってくる
なんだ?どうした?と騒ぐ仲間に簡単に説明するマルコ
「エースの弟と恋人の手配書が出たんだよい」
「!!なにぃ~?見せろよマルコ!!!」
「やっと拝めるのか?」
「早くみせろよ~?!」