第14章 2つの手配書
「そういや、そんな事もあったな………」
「貴様、子供相手に何をやってるんだ」
ベックマンは昔を懐かしんでいるが、ミホークは額に青スジを立ててちょっと怒っている
「まあ、そういう訳でイリスにはエースって好きなやつがいるって事だ!」
俺もイリスに会いてぇな~なんて言っていると、横から話を聞いていた仲間が口をだす
「そういや…何年か前にお頭に挨拶に来た男がエースって名前じゃなかったですか?」
「「!!」」
そう言えばいた!ルフィの兄と名乗った男の名前は確か…………
「ポートガス・D ・ エース……今は白ひげの2番隊隊長だったか?」
あいつがイリスの一番好きなやつか………
シャンクスの中で、10数年前、数年前、そして今の記憶がつながった
「火拳のエース 5億5千万ベリー だそうだ………」
なかなかの男じゃないか、とエースの手配書を皆に見せるベックマン
「ふん!白ひげの下に着いているやつなど大したことはない」
ミホークは不機嫌に言う
「何怒ってんだよ?鷹の目~」
シャンクスはイライラしているミホークを面白がってからかう
「怒ってなどいない」
「怒ってんじゃないかよ!イリスが好きなのか?」
嫌いではないが、こいつに下衆に勘繰られるのも面白くない……イリスへの感情はどちらかと言うと〈親〉目線、心配で気にかかる存在ではある
「…………………」
無言で殺気を放つと、シャンクスは冗談だと両手をあげて降参ポーズをとった
「まあ、ベンの言う通り10年以上前の話だ!今はどうかなんてわからねぇよな!」
数年前にエースに会った時はルフィの話しか聞いてないし、今はバラバラで一緒には居ないみたいだ………
「もし、エースに会いに行くつもりはなら〈新世界〉に行くだろう」
白ひげはそこにいるからな……
ベックマンの言葉に、俺達も〈新世界〉でイリスを待って見ようか、と思うシャンクスだった