第13章 強い人
「その船を見て思いついたんだが…イリス、お前が船を運ぶんだ」
「ほぇ?」
まぬけな声を出したイリスの頭をミホークは、またポンポンとなでる
(あれ何回目かしら…)
グレイスは口にも顔にも出さないが、そんな二人をじっと見つめていた
「船にロープをかけて鳥形のイリスが飛んで運ぶ」
暫くしてイリスから手を離したミホークは詳しく説明しだした
イリスの能力を使えばカームベルトを安全に抜けられる、グランドラインへの出入りも自由だ
「うう~ん?そんなにいっぱい飛べるかな~?」
「心配ない、白鳥は水鳥であると同時に渡り鳥ではないか」
お前なら大丈夫だ…そう言ってまたポンポンとイリスの頭をなでる
(もう…またやってるわ~)
さすがに慣れたグレイスは冷静にミホークの提案について考えていた
それは確かにいい案で、無用な争いを避けれるし、気まぐれなグランドラインの波の影響も減らせる
(ここはイリスちゃんの能力に頼ってみようかしら…)
グレイスはミホークの案に乗り気だったが、もう口は挟まない……
(また睨まれたら寿命が縮まっちゃうわ!!)
最初はすこしづつ進め…着水は静かに…海王類に見つかるぞ…
ミホークはイリスに細かな注意事項を伝えているそれはまるで……
(まるで親ね………)
グレイスの心の声は誰にも知られることはない……