第13章 強い人
「ハッハッハ…水鳥か…なるほどな、ハハ!」
イリスは悪魔の実でカナヅチにはなったが、動物(ゾオン)系トリトリの実 モデル“白鳥(スワン)”の特徴によって水面に浮くことはできるみたいだ……
(知らなかった…)
驚いた…でも海上を航海する身としては何だか安心するなぁ~
なんて思っていたら、抱き上げたままの白鳥をマジマジと見つめ、なるほど…とか、水鳥……とか言ってる男の人
助けてくれたので逆らわずじっとしているイリス
(下ろしてくれないかな………)
なんて思っていたイリスだが、男はいきなり羽を広げたり、脚の水かきを触りだした……
「!!!?」
さすがに黙ってはいられない……相手にとっては白鳥の観察だが、イリスにしてみれば腕や脚を撫でまわされている状態だ
「ヒッ……!!イヤァーーー!!」
バサッバサッと、翼を動かし男の懐から逃げ出すと、小舟の舳先に降り立った
同時に人型に戻ると、助けてくれたのも忘れ男を睨み付ける
「なッ…何?何するんですか!!」
睨み付ける目には非難と脅えの色がうかんでいた
「ウムッ…すまなかった…」
男は自分が撫でまわしていたのが、鳥ではなく女の子であったことに気づき、多少困惑しながら目を泳がせた…
気まずい沈黙…
「………」
「………」
耐えきれなかったのは男の方だった
コホンッ…と咳払いをしたあと口を開いた
「俺の名はジュラキュール・ミホーク、いきなり切りつけて悪かったな…」