第13章 強い人
今まで仲良く旅して来たけど……グレイスって不思議……謎?
手先が器用で、いろんなアクセサリーや小物が作れる女子力
海賊船に乗ってたのに恐いと思ったことは無いし、自警団立ち上げに手を貸す正義感があってお人好し
「…………」
グレイスをじっと見つめて考え込んでいると
「やだ!イリスちゃんどうしたのよ!!ドキドキするじゃない……?」
わたわた慌てるグレイス
(カワイイ……こっちが赤面しちゃうわよ!)
今はいっか、そのうち解るでしょ!!そんな思いで、グレイスに向かって微笑んだ
「あんた魔性の女ね…」
『エース君も苦労するわ~』
ボソッと呟いたグレイスの声は波に消されて聞こえ無かった……
イリスは少し休んでから上空に飛び立ち、また島を探す
だが、次に見つけたのも舟だった
しかも小さい、私達の舟と同じぐらいだ
(乗ってるのは1人…海賊旗は無し…)
同じ遭難者かと思ったが、乗ってる男が優雅に足を組んでくつろいでいたので違うとわかった
ちょっと近づいてみようと高度を下げると凄まじい威圧感に襲われた…
(ヤバッ…)
一瞬くらっときて体制を崩したイリスは、近づくのは危険と判断して距離をとる
しかし向けた背中がゾワゾワする
振り返ると男は剣を構えてこっちを見ている
(えっ!?この距離を?)
そう思った瞬間……
斬撃がイリスに向かって飛んできた