第13章 強い人
まずは私が鳥形で近づいて偵察
大丈夫そうならこっそり降り立ち気絶させる
数が多ければ戻って二人で近づく
「じゃあ、行ってくるね!!」
「必要ないと思うけど…気をつけなさい!?」
グレイスを舟に残してまた飛び立った
大きな船だった…何百人も乗れそうなガレオン船…でも、
(ボロボロだわ…)
舟の外観は嵐にでもあったのか、今にも沈没しそうだった
海賊旗も帆もボロボロで、操舵してる人が誰もいない…
いや…動いてる人が誰もいない……
(………悲しいわね……)
一回り舟の上を飛んでからグレイスの元に戻ることにした
「そう……海の悲劇ね…」
可哀想に……
二人で目を閉じ黙祷……
自然現象か、内乱か…グレイスが思いあたる事柄を並べ立てる
「その船に近づくのは止しましょう…」
もし伝染病とかで全滅したのだったら危険だからね…
「………ウン…」
操舵者のいない船は、風と波に揺られてどこかに流れていってしまった
「で、どんな海賊旗だったの!?」
イリスはうろ覚えだけど見たまま話した
「えっと…ドクロの両脇に砂時計みたいなのが付いてたよ?」
わかる?と、小首をかしげるイリスにグレイスは驚愕の表情を向けた
「あんたそれ……クリークじゃないの!?」