第13章 強い人
いい案がないか持ち物を眺めて考える
食べ物…服…酒…手配書の束…メイク道具…アクセサリー…羽根飾り…………羽根!?
「そうだわ!!」
まわりをキョロキョロみまわしてからバサッと鳥形になる
「うわっ…いきなりどうしたのよ!?」
ビックリしているグレイス…イリスが完全な鳥形を見せるのは初めてである
「ちょっと上から島を探してみるね!」
高く飛び上がり360度見渡す
下にはグレイスと舟が豆粒みたいに小さく見える
(あぁ~このかんじ久々~気持ちい~)
身体に受ける風が心地よくて何処まででも飛んで行きそうになる
(あれ!?行きたい方向がわかる……?)
自分の中に方位磁石があるかの様に東西南北が理解できる
(なんで?私、方向音痴のはずなのに…)
何100キロも移動する
毎年同じ場所に帰ってくる
海を渡る…など
渡り鳥である白鳥の習性が、鳥形になることでイリスに顕著にあらわれたのだ
(気づかなかった…でも、これで迷子にはならないわね♪)
良かった~と、ニコッと笑う
しばらくして、遠くに舟を見つける
(食料分けてくれるかな…?海賊だったらどうしよう…)
グレイスの元に戻って舟の事を伝える
「うぅ~ん?近づいてみる?」
どのみち食料は一日分しかないし、もし海賊なら力ずくでも奪えばいいわよ
「暴力はだめよ!?」
やるなら私が【覇気】を使って気絶させるからね……こっそり頂きましょう!!