第12章 嫌な再会
治療中のイリスの所にはいろんな人達が集まって来た
即席自警団の青年とその仲間、店の店主達、街で助けられた人、皆口々にお礼や感謝を述べていく
「これからは自分達で国を守ります!!貴女のおかげです!」
「海賊が来たのに店の被害は全く無かった!助かりました!!」
「逃げてる途中に貴女に助けられました!本当にありがとうございました」
見舞いの品も山ほど来て、中にはラブレターじみた内容の手紙もあった
「天使へ………かぁ~」
はぁ~と深いため息の後、手紙を見た…封筒の表には《天使へ》の文字
(もうバレてるのかな…)
あれから自分達が売ってた羽根飾りが《幸せを呼ぶ天使の羽根》と呼ばれているのを知った
実際あれを着けてる者同士が恋人になったり、店の売り上げが伸びたりしたらしい…
そして、この羽根を着けてた少女は海賊から助けられた…………
違う!“着けてたから助かった”じゃなくて、“着けてたから捕まった”なのに!!!
「グレイス~もうばれちゃってる?」
グレイスは隣で林檎をむいている…………しかもカワイイ兎型……
「まあ…ほぼ……」
「やっぱり~?」
差し出された林檎をもぐもぐしながらこの島を出る為の相談をした
そこへ…人質になった少女がひょっこり顔を出す、後ろには家族らしき男女
その少女の頬には大きな湿布が張られていて殴られた跡が残らなかったらいいな~なんて思っていたら
「あ…あの~天使さん?」
「ぶっ…!!」
思わず林檎を吹き出してしまった…
少女も両親も若干引いている…
恥ずかしい………