第12章 嫌な再会
「と、言う訳で即席自警団の出来上がりよ♪」
グレイスは、その辺の男から引ったくった上着をイリスに着せ、これまでの経緯を説明した
一緒に来た男達は海賊の残党と戦っている
先頭に立つ青年に迷いは無く、よく全体をまとめていた
「そう言うことね…」
確かにこの国に、彼らは必要だ…
グレイスのやったことは今だけじゃなく、これからの国にも重要な意味をもつ
「凄いわ!!グレイス!もう大丈夫よね…」
良かった、帰ろ~!と肩の力を抜いたイリスにビシッとデコピンがとぶ
「何言ってんの!!あんたの治療がまだでしょ!?」
こんなに怪我して…エース君が悲しむわよ?
(エース…?)
「大丈夫よ!彼、昔からもっと凄い怪我してたから…こんなの怪我にも入らないわ」
相変わらず男を解ってないイリスにあきれる
「バカね~自分の知らない所で恋人が怪我なんてしたら心配するし怒っちゃうわよ?」
こんな傷すぐ治るし、エースはどこにいるかも分からないんだから大丈夫よ…
むしろ傷が治るまでに会えた方が嬉しい…
「………」
無言で首をひねるイリスに又あきれる
「もういいわ…早く治療しましょ」
周りの喧騒はすでに無く、青年と仲間達は海賊を縛りあげ、海軍の到着を待っていた