第12章 嫌な再会
いきなりの事に広場にいた人達は呆気に取られグレイスを見ている
「お前は人質になった子のため何かしたのか?」
助けることは出来なくても、側にいて交渉するとか、代わりに人質になるとかあるだろうが!!
「ウッ………」
「あんたは何もしていない…ただ海賊の使いパシリになっただけだ!!」
口調が男に戻っている事にも気づかずグレイスは続ける
「それなのにイリスが心配だ~?助けてくれだ~?お前がそうさせたんだろうが!!」
また一発殴った…青年はうなだれ起き上がってこない
「だいたい、こんなどうしようもない国王を許してるからお前らはダメなんだ」
護衛が倒れてしまい、どうしていいか分からない王様を指さしながら言う
国王が守ってくれないなら自分達で守れ!!あんた達の街なんだろ!?
「いつまで女の子1人に任せとくつもりだ!?
それでも男か!!」
と発破をかける
1人…また1人とグレイスのまわりに人が集まりだした…
「俺たちやるよ!!」
「街を守るんだ!」
「もう海賊の好きにはさせない!!」
手に武器を持ち、やる気を出した男達
グレイスはうなだれたままの男を立たせる
「ほら!!しっかりしなさいよ!?あんたがリーダーなんだからね!」
「えっ…!でもオレ……」
あんな自分勝手な事を言っておいて今さら無理だ…
「バカね~だからよ!!」
この場の雰囲気と勢いで立ち上がった奴らより、失敗と恥じを知ったあんたの方がよっぽど上手くこの街を守るわ!!
グレイスはいつもの口調に戻っていた