第12章 嫌な再会
「あらあら…ヒドイ格好ねぇ~!」
振り返った先にはグレイス……と、たくさんの人達(ほぼ男…)
「ッ……!!」
あまりの事に言葉にならず、【剃】を使って路地裏に隠れる…
「イヤーーッ!!グレイスのバカー!何でそんなに人連れて来るのよー!!」
バカバカ!!早くどっか行きなさいよ!
しっかり隠れてからグレイスに向かって文句を言う
今の自分はとても人前に出られる姿では無い…
恥ずかしさから顔は真っ赤に、目は涙目に、口もいつもより悪くなる
「まあ~ご挨拶ね~!これから必要になるでしょうが!?」
「???」
数十分前
イリスと別れてからグレイスは店を片付けていた
そこへ1人の男が近づいてきた
「あんたあの子の仲間なんだろ?早くいってやれよ!!」
相手は海賊だぞ!!女の子1人じゃ無理だと言う………彼は広場に海賊襲撃を伝えた青年だ
「大丈夫よ~!それに、ここを任されたからね~!」
グレイスはそう言って片付けを続ける
「店なんてどうだっていいじゃないか!!」
彼は海賊の要求をイリスに伝えたが、まさか1人で行くとは思わなかった
彼女が海賊の餌食になるなんて耐えられない、だから助けてくれ………彼の言い分はこうだった
突然グレイスは立ち上がり、青年を殴り飛ばした
そして低く唸るような声でいい放つ
「だったらてめぇが助けに行きやがれ!!」