第11章 看板娘
次の日、広場の中心地から少し離れた場所に店を出した
昨日、人が集まり過ぎて周りの店に迷惑がかかったのと、あまり目立たないようにするため
商品も昨日より値段を上げ、数も少なくした、その分丁寧に作り、限定品としての価値を持たせた
グレイス曰く
「今日の客層はお金持ちよ!昨日みたいに小娘どもが近寄れないようにしてやったわ!!」
彼女の服装と喋り方はいつも通りになっていた…
昨日の女の子達はきっと気づかないだろう…
「それはいいけど…なんで私だけ…!?」
イリスは昨日ほど露出は無いが、お上品な服を着せられていた
白いブラウスにロングスカート、髪もまとめて結い上げ、そこに商品である羽根飾りを着けていた
「それならいいでしょ?今日は昨日とは違うの、だから胸元と腕のそれ、見せないようにね!?」
「………!?」
(成る程、客層が違えば売り子の装いも変わってくるのね…)
イリスの胸元と左腕には刺青がある
自分ではまったく気にして無いが、上流の方々の受けは良くないだろう
「私はそれ好きよ!?でも今は我慢してね?」
「うん大丈夫だよ!!見せびらかしたい訳じゃないから」
(これは私の決意だから…)