第11章 看板娘
大勢の人が押し寄せて商品は飛ぶように売れていく
グレイスが作ったイリスの羽根を使ったアクセサリー類は、女の子達に大人気になった
商品説明や会計で、女はグレイスに、男はイリスにと、はっきり分かれた
イリスは一定の距離感を維持しつつ無難に接客するも、服装が昨日までと違うせいか顔が強ばる…
(なんか嫌な視線が飛びかって…る?)
グレイスから薦められたワンピースは胸元は深くえぐれて、肩は丸出し、背中も前と同じぐらい開いていて、膝上10㎝のスカートは、動く度にふわりとひるがえり男達の視線を集める
「こんなにも美しい人には初めて会いました♪」
「お名前は……?」
「どこから来たの!?」
「このあと一緒にお食事でも…」
男達からの熱心な口説き文句に四苦八苦してると…
「あら~素敵じゃない!?こっちは任せて行ってきなさいよぉ~」
(んな…!!!私にはエースがいるのに!!)
グレイスが横からニヤリと、悪い顔で話しかけてきた…スーツの仕返し…?
『ちょっと…余計なこと言わないでよ!』
グレイスを肘で小突きながら小声で抗議する
『何言ってんの!何人か引っかけて私に紹介しなさいよ』
お客さんの前で怒鳴り会う訳にもいかず、顔は笑顔のまま、ひそひそと言い合う
『でッ…出きるわけないでしょそんなこと!!』
『あら?わかんないわよ~皆かわいいじゃない♪』
女の子達の相手に疲れたのかグレイスの目線は私の前に並ぶ男達に向いている…
(も~まだ商品いっぱいあるのに…仕方ない…無理やりにでも…)
「あの…貴方のお名前は…?」
かわいい女の子からの質問に
「私?私はグレイスっ……ムガぅ」
「彼の名前はグレゴリアス!現在彼女募集中ですよ♪」
グレイスの口をふさぎながら彼女の知りたかったであろうことを教えてあげる