第11章 看板娘
(んん…?羽根?羽根とはあの羽根のことかな!?鳥の翼を覆っているあれのこと?)
いきなりのことに脳みそがついてこない
何度も言葉を反芻してようやく理解した
「えっと!?…あの…それって私の翼にある羽根のこと?」
「そう!!一回見せてもらったけど、とっても綺麗だったわ~」
だから今回それを材料に使わせて欲しいとのこと…
正直なところ、困ってしまった…
名前も顔も出て無いとは言え、手配書が出ている身としては、羽のことをあまり表に出したくなかった
「羽根から私のことバレちゃうんじゃないかな……?」
不安な表情でグレイスをみる
「大丈夫よぉ~♪堂々としてる方が疑われないわよ!?鳥だってそこらじゅうにいるから拾ったって言えばいいじゃない?」
確かに気にしすぎでは何もできない…
「でも…」 「お願い!!!」
パチンと顔の前で両手を合わせ、どうしても作ってみたいとお願いされては断ることなど出来なかった
「ありがとーイリスちゃん!!さすが私の見込んだ女だわ~♪いい女はやっぱり違うわね~」
抱きつかれ大袈裟なかんじで感謝された
「???」
なんだろう…いやな予感が…
「お願いついでにもう一ついいかしら?」
(やっぱり……)
一気に眉間にシワがよる
「そんな顔しないで!?実は……」
イリスはグレイスのお願いにブンブン首を振る
「ダメ~?売り上げに大きく関わってくるのよ?」
涙目で訴えてくる…私が悪者みたいじゃない…
(グレイス ばっかりずるいわ………あっ!閃いた♪)