第11章 看板娘
(この島にもうあるものじゃダメよね…?珍しくて加工が簡単な物はないかしら…)
悩みながら歩いていると海まで来てしまった
砂浜には綺麗な貝殻がたくさん落ちていた
(貝殻だけじゃありきたりだわ~何かと組み合わせて…)
「………ッ!?」
聞こえた声に顔を上げると、そこには海鳥の群れ
「………これだわ!」
何かを閃いたグレイスは貝殻を集めて、急いでイリスの元に戻った
「イリスちゃん!!今日はもう店じまいよ!」
まだ少し商品が残っているのにいそいそと片付け始めたグレイス
「えっ!?全部売らなくていいの?」
折角作ったのに勿体ない…
「大丈夫!明日もあるし、それに新しい商品を作らなきゃ!!」
時間がないわよ~♪と早口でまくし立て、店をたたんで宿へと戻った
宿に着くなり
「さて…新商品なんだけど…イリスちゃんの協力が必要なの!!」
あらたまって話を切り出したグレイスの真剣な表情につられて、こちらも真面目な顔になる
「何?作るのなら手伝うよ?」
「それも必要だけど…今回は材料もお願いしたいの」
(何かを採って来いってことかな?)
頭の中に何種類かの素材が浮かぶ
しかし…
「実は……イリスちゃんの羽根が欲しいのよ!」