第10章 初めての……
掃除を終えても起きないグレイス……
イリスは街に行きたかったが、黙って出かけることもできないので静かに待っていた
寝ているグレイスを見ると、自然に今朝の事を思い出す
(寝ぼけてあんなことをするなんて…初めてね…)
見た夢が良かった分、なんだか暗い考えに弱くなった
そうしていたらグレイスが目を覚ました
「ん~お~は~よ~う……」
大きく伸びる腕と声、爽やかに目覚めたのに…
(なんだか空気が悪いわね…苛めすぎたかしら?)
「ん…おはよう…グレイス」
顔は笑ってるが声に元気がない、気配も薄い
(この分じゃ今夜また泣き出すかも…)
「それじゃ!次は~」
「ッ……!」
また何かさせられるのかと身構えるが
「街にお買い物に行きましょ♪」
パチリとウインクしたグレイスは、こちらに手を差し出し、入り口へと目を向けた