第10章 初めての……
頭はハッキリしたけど、体が硬直して動かない…わかるのは自分が抱きついてるのがエースじゃないってこと…
しばらく無言でそのままだったが…
「イリスちゃん、そろそろ退いてくれないかしら!?」
「えっ…?…うゎ…?…きゃっ…ふぎゃ…」
かけられた声に跳ね起きる
二人で寝るには狭いベッドからイリスは転がり落ちて尻餅をつく
痛むお尻を擦りながらベッドの上に視線を移す
「んな?…何でグレイスが私のベッドに…?」
わなわな震えながら批難の目を向ける
「やぁ~ねぇ~、よく見なさいなこっちは私のベッドよ?」
呆れた眼差しで答えたグレイスは隣のベッドを指差した
確かに窓側が私で、入り口側がグレイス、
そしてこっちは入り口側だった