第10章 初めての……
イリスはまどろみの中でエースの夢を見た…
太陽の笑顔に自分を抱きしめる優しい腕、別れてから一度も忘れたことがない幸せな記憶
(エース…)
浅い眠りから目を覚まし、イリスの視界に映るのはたくましい胸板
(あぁ…夢だわ…)
いるはずのない恋人が見えるなんて夢でしかない、今ぐらいは甘えたい…
イリスは抱きつき
「うふふ…エース~」
ニヤけた顔に甘い声で胸板に顔を擦り寄せた
「好き~」
幸せな時間、今が永遠であればいい…
「やだッ!!くすぐったいわよ!?ヤメテ~!!」
「………ッ!!」
聞こえた声に一気に脳が目を覚ます